近年、従業員のスキルアップのために、業務に関連する書籍を週や月に1冊程度読んで、内容の要約や気づきを発表する機会を設けている会社が増えてきています。
ただ急に「本を読んで内容をまとめてきて」と言われても、どんなポイントでどうまとめればいいのか分からず、精神的にきついタスクになってしまっている方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、読んだ本の要約がうまくいかないたった1つの原因と、その解決策についてすぐに実践できるように分かりやすくお伝えします。
サクッと本の要約を作れるようになることに加えて、自分自身が読書を経て「スキルアップ」できるようにもなるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
本の要約で手こずるたった1つの原因
本を読んで内容を要約するのが苦手な人に共通するのは「本の内容全て」をまとめようとしてしまうことです。
ただ1冊とはいえ本には膨大な情報が詰まっており、それら全てを網羅しようとすると、要約の内容自体も非常に浅くて意味のないものになってしまいます。さらにどうしても要約のボリュームも多くなり「うーん、結局何を言いたいの?」と冗長なものになってしまうのです…
このように、「全てを完璧にまとめようとする姿勢」こそが要約がうまくいかない最大の原因です。まずはこの思い込みを捨てることが、簡潔かつ実際の仕事に活かすための要約への第一歩になります。
実践:短時間で成長につながる要約を作るコツ3選
読んだ本の内容をシンプルかつ実践的に要約するためには、以下の3つのコツを押さえましょう。
要約のコツ1:要約するポイントを絞る
1つ目のコツは、要約するポイントを絞ることです。前述した「本の内容全部を要約してしまう」という落とし穴にハマらないための考え方ですね。
そもそも論として、あなたにとって本の内容”全てが重要”ということはあり得ません。そこで大事なのが「その本で自分にとって大事なポイントはなにか」を考えることです。
たとえば、あなたが営業職だとして、なかなかアポが取れずに悩んでいるのであれば、営業の本の中の「アポの取り方」にのみ焦点を当てて、そこを要約しましょう。
逆に「商品作成部署とのコミュニケーション」や「契約後のフォロー」など、「自分の一番の悩み”以外”」の内容は、一旦無視する勇気が大切です。
イメージが難しいという方は「その本の中で自分が一番学びになる章はどこか」を考えて、その章について”のみ”深く要約する意識を持つと良いでしょう。
要約のコツ2:事実+自分の意見をセットで作る
会話で「つまらない」と言われる人の共通点を知っていますか?それは、事実しか述べないということ。
そしてこの考え方は要約でも同じことが言えます。ただ本の内容をまとめても、それはまだ「著者の主張」を簡潔にしただけです。本の要約だけならば「ネットの要約サイト」やそれこそ「AI」に任せておけばいい話です。
本の内容を要約する意義は「その本の内容を自分の知識・知恵に昇華させる」ことにあります。
そのためにも要約を作る際には「本書ではこのように述べていた」という要約とセットで「ここに関して自分はこう思う」という自分の意見を追加してみましょう。
自分の意見を入れることで初めて、その本の内容を「自分が活かす」ための生きた有意義な要約になります。
要約のコツ3:質問を予測してブラッシュアップ
本の要約のコツ3つ目は、質問をあらかじめ予測しておくことです。
たとえば「昨今はAIの進化が著しいので、自社でもAIを積極的に活用していくべき」という要約を作ったとしましょう。
さて、あなたがこのような発表をしたら、あなたの上司はそこに対してどんなツッコミを入れてくるでしょうか?
例)
- 自社の場合、具体的にどんな業務でAIを活用できると思う?
- 最近、よくAIって聞くけど、その情報は信用できないのでは?
- それはいいね!社内でAIの活用を促進していくために何をすればいいと思う?
このように、自分が発表した内容に対して、上司(あるいは他の人)がどんな追加質問をしてくるかを考えてみましょう。
その上で、それらの想定質問に対する回答をあらかじめ用意しておくことで、よりその読書を有意義なものにすることができます。
また、実際にそのような質問をされた時に「それはですね!」とテキパキ回答することができれば、あなたは「頭の回転が速い人」と評価されることになるでしょう。
まとめ
本を読んで要約するスキルは、会社での発表だけでなく、日常生活や仕事にも大いに役立ちます。
要約がうまくいかない原因である「全てを簡潔にまとめようとする姿勢」を見直し、重要なポイントを3つに絞ることで、誰でもわかりやすい要約が作れるようになりますよ!
ぜひ今回の記事で紹介したコツを実践し、効率的な読書とスキルアップを目指してください。読書発表の場で「わかりやすい!」と褒められる日が、すぐそこに待っています!